持っている着物は普段着として使っていいのかな?
柄が好きで買ったけど着物の格が分からなくて着れない
着物を着れるようになると、いろいろな素材や柄のものが着たくなってきますよね。
でも、着物についての知識がないと、まわりからの目が気になってきませんか?
この記事はこんな方におすすめ
◇普段着として着物を着たい時に、どんな着物を選べばいいのかが知りたい。
◇普段着で着物を着るときに自信をもって堂々と着られるように基本的なルールが知りたい。
◇まわりの視線を気にせず堂々と着物が着たい
◇自分の持っている着物の種類が知りたい
という方に向けて解説していきます。
知りたいところだけ読みたい方は目次からジャンプできます。
着物とは
鎌倉時代に初めて、文献で着物という言葉が出てきます。もともとは日本語として着るもの全般のことを着物と読んでいました。明治時代、西洋の文化が入ってきて洋装が取り入れられるようになり、これまでの衣類に対して洋服という言葉が生まれ、伝統衣装のことを和服と呼ぶようになりました。これまで衣類全般をさしていた着物は、和服に対して呼ばれるようになったのです。

着物の種類は大きく分けて2つ
◇チームフォーマル
結婚式・成人式などフォーマルな席で着るもので「格」「ルール」が重要になります。
◇チームカジュアル
買い物・友達とのおでかけ・観劇など、幅広く着られるもので、柄や素材によって着る場所を選びます。


そういった応用は奥が深いので、まずは普段着として着物を着て出かけるために必要な情報から説明していきます。
チームカジュアルの種類
◇小紋
◇紬
着物初心者さんには小紋がおすすめ

-
-
着物の小紋とは?まずは小紋を着てみよう!初心者向けに解説します
ポイント
あとは、季節によって生地や裏地のあるなしが違います。最後の方で解説するのでそちらもぜひ読んでみてください。
ではそれぞれの特徴を解説します。
小紋とは
型紙の模様を同一方向に繰り返し染めた着物。
簡単にザックリ言うと全体的に模様の入った着物のことです。
柄が同一方向ってどういうこと?
着物は方で柄がつながっているので、体の前側に上向きの柄を持ってくると背中側は下向きの柄になります。そのため後姿に違和感を感じないように上下があまりない柄が多いのです。

小紋は模様の大きさは関係ありません。模様が大きくても小さくても無地の部分が多くても、型染めのパターンがちりばめられた着物なら「小紋」です。

紬
絹織物のひとつで、糸を先染めかつ平織りされた織の着物。(一部後染めの紬もあります。)もともとは普段着ですが、最近はおしゃれ着としても着る方が増えています。絣(かすり)や縞(しま)格子(こうし)などの模様が一般的で高価なものもありますが、基本的にカジュアルな着物です。

紬は日本全国で作られていて、使用する糸によって風合いが変わります。
結城紬
ざっくりした素朴な風合いは、繭を煮て袋状にした真綿やくず繭などから紡いだ「紬糸」を織ることで生まれます。
大島紬
軽く光沢感がありツルツルした感じがありますが、こちらは繭から直接糸を引く「生糸」で織られます。

小紋・紬を着ていくなら
◇少しおしゃれして出かけたいとき
◇観劇
◇同窓会
◇ランチデート
◇美術館巡り
◇買い物

フォーマルな場面以外なら、ほとんどOK!!!!
それではここからはチームフォーマルの種類を紹介していきます。
チームフォーマルの種類
チームフォーマルでも第一礼装と準礼装の2つに分けられます。
第一礼装
◇黒留袖
◇色留袖
◇振袖
黒留袖
既婚女性の第一礼装、最上級のフォーマル着物です。結婚式や披露宴の際に親族が着用します。
特徴は、黒い地色で上半身は無地、着物裾にぐるりと絵羽模様(全体が一枚の絵のように構成された模様)が配置されています。通常、染め抜きの五つ紋が入ります。
礼装にふさわしく裾模様には色とりどりの染め柄、金銀の箔押し(染めあがった生地に金や銀の箔、金粉、ラメなどを接着する技法)刺繍などがほどこされています。不老長寿や夫婦円満など縁起の良い柄が多いです。
色留袖
地色が黒以外で、既婚・未婚問わず着られる留袖の着物です。黒留袖と並び最上級の着物ですが紋の数で格が変わってきます。五つ紋なら無敵の第一礼装ですが、格が高すぎると着用機会が限られるので最近ではあえて一つ紋、三つ紋にすることも増えています。
結婚式で新郎新婦の姉妹が最もフォーマルに装いたいときにふさわしいとされています。一つ紋・三つ紋であれば友人の結婚式でも着ることができます。
振袖
袖丈の長い未婚女性用の第一礼装です。華やかな柄が全身に描かれます。

成人式以外でも、卒業式・パーティー・お見合い・結納などで着ることができる着物です。
準礼装
◇訪問着
◇付け下げ
◇色無地
訪問着
布の縫い目でも柄がつながり、広げると一枚の絵のように見える柄付けになっている着物です。衿から、肩、袖、後ろへ回って裾全体につながる絵羽文様になっています。もともとは大正時代に公式訪問用の社交着として使われていました。
着る場面としては、結婚披露宴、歌舞伎、オペラの初日などのお祝い事があります。
紬の絵羽文様もありますが、その場合はおしゃれ着となるので注意!
付け下げ
訪問着より少しシンプルな着物です。訪問着を簡略化した社交着として生まれ、格は訪問着より低くなります。
お宮参り、ドレスコードのないパーティー、式典などの軽めの正装にはもちろん、帯や小物でカジュアルダウンすると食事会・コンサートでも着れます。
訪問着との違いは?
◇前身頃、後ろ身頃の柄付けがどちらも上向きの付け下げ紋になっている
◇縫い目で柄がつながっていない


色無地
黒以外の一色で染めた着物です。背中に一つ紋がついていると格が上がります。
あらたまりすぎず、きれいめに装いたいおでかけで役に立ちます。お祝いの食事会や、家族の祝い事の席にも合います。
光沢を控えた生地で名古屋帯を合わせたりするとカジュアルな雰囲気になります。

準礼装として紹介した3種類は、生地の違いや、帯との組み合わせでカジュアルに着ることができるようです!
着物の種類をご紹介しましたが、最初はチームカジュアルの着物が分かればOKです。フォーマルの着物については、とりあえずザックリと知識として知っていると安心ですね。
では続いて帯のご紹介です。
帯の種類は大きく分けて3つ
代表的なのが袋帯・名古屋帯・半幅帯です。
着物初心者さんにおすすめは名古屋帯
着物初心者さんには名古屋帯をおすすめします。
なぜかというと、名古屋帯は着物を着る女性の中で最も多く着用されている帯で、手軽に結べるように工夫された帯だからです。

見分けるコツ
見分けるコツは長さと幅の違いです。
袋帯:3種類の中で一番長く幅も広い
名古屋帯:袋帯よりやや短い。幅はほぼ同じ。巻きやすい様に途中まで半分に折られている。
半幅帯:3種類の中で一番短く幅も細い。長いタイプもある。

例外もいろいろありますが説明するとごちゃごちゃしてしまうので・・。
ざっくりいうと
袋帯がフォーマル、名古屋帯はどちらでも使える、半幅帯はカジュアルという感じです!
袋帯
名前の通り袋状に折った帯地でつくられる帯で、戦前までは裏表に柄がありましたが現代は片側だけに柄があるものが多くなっています。
礼装に使われることが多いため、基本的には、
◇金糸銀糸が入った豪華なもの
◇絹の生糸を先染めして織るもの
「織の帯」と呼ばれています。
反対に金銀の入らない、後染めの帯もあり、しゃれ袋帯といっておしゃれ着向きになります。
袋帯の結び方
基本的には二重太鼓に結びます。大きく華やかにさらにドレスアップしたいときには変わり結びもできます。
名古屋帯
大正時代に名古屋で考案されたことからその名がついたと言われています。袋帯を簡略化して手軽に結べるように工夫された帯です。上記でも述べましたが着物を着る女性の帯としては一番使われているであろう帯です。
名古屋帯の結び方
基本的には一重太鼓で結びますが、一重太鼓がアレンジされた銀座結びも素敵です。また浴衣に名古屋帯を合わせると、着こなしがランクアップしてかっこいいです。
半幅帯
帯幅が他の一般的な帯の半分、約15㎝なのでその名前が付きました。基本的にカジュアルな場面で使用する帯です。表に柄があるもののほか、表裏が別の布になっていてリバーシブルに使えるものもあります。
半幅帯の結び方
貝ノ口、矢の字、文庫結びが基本の結び方です。
他の帯とは違い、帯締めや帯揚げを必要としませんが、これらをつけるととによりこなれた雰囲気になるのでつけてもいいですよ。
ポイント
半幅帯もかなりたくさんの種類がありますが、兵児帯もよく見かけます。
兵児帯はもともとは男物として使われたり、子供用の薄地の生地をくしゃっと締めるものでした。結び方も簡単で、リボン結びにしてたれた先を結びめに下からくぐらせるだけで形が決まります。ふんわりかわいらしい雰囲気になります。

着物や浴衣をラクに着たいときに重宝するよね!

帯の種類を解説してきましたが帯も着物と同様に奥が深いです。なかなか最初からすべてを把握しようと思うと大変ですよね。
着物を着たり、買ったり、仕立てたり、洗ったり、着物に触れる機会が増えると徐々に覚えていきます。着物について知るのが楽しくなってきますよ。
最後に季節の着分け方を解説します。
季節の着分け方
着物は着る季節によって生地や仕立てが違います。
基本的には
10月~5月:裏地のある「袷」(あわせ)
6月と9月:裏地のない「単衣」(ひとえ)
7月と8月:単衣で透け感のある生地が使われる「薄物」(うすもの)
となります。
ただし現在ではこのとおりではなく、体感で気候に合わせて臨機応変に選んでもかまいません。フォーマルな場面以外では、月に関係なく、気候や天気に合わせて着るものを選んでいきましょう。

だって5月でも暑いよ!10月も暑いし!
基本的なルールさえ知っておけば

とか言われても

なーんて言えるかも!?
(空想です)
着物と帯の種類、季節の着分け方について解説してきましたが、いかがでしょうか?
カジュアルな場面で着物を着るのであれば、種類は関係なく自由に着て良いと私は思っています。洋服と合わせて和洋のミックスコーデも可愛いですよね。着物についての知識が少しでもあれば、もっと着物を着るのが楽しくなるかも!着物を着る人が増えれば、私と一緒に着物で出かけてくれる友達が新しくできるかもしれないし!着物を着たいと思っている初心者さんに役に立てると幸いです。
-
-
着付けの時間短縮!マイサイズの長襦袢を使うのが時短のポイント!長襦袢の選び方も合わせてご紹介。